「私にも写せます」のキャッチフレーズ(1965年、「フジカシングル8」テレビCM、扇千景)で販売され、爆発的に流行した8ミリフィルムカメラ。プロではないが映像に興味のある市井の人々が、初めて手にしたムービーカメラです。ちなみに値段はピンキリですが、最安値は「フジカシングル8」の18,000円、録音機能のついた「フジカシングル8サウンドZM800」が115,800円、レンズ交換式の「フジカシングル8フジカZC1000」は10倍ズームレンズとセットで213,500円。1970年当時の日本のサラリーマン平均月給が58,400円。ムービーを見せるにはカメラだけでなく、生フィルムを買って現像に出して編集機材を揃えて映写機を買って、といちいちお金がかかるのでそれなりの覚悟が必要だったはずです。
そうして残されたフィルムには、小学校の課外活動、保育園のお遊戯、まつり、結婚式、神社でのお稚児さん、家族親戚総出の宴会等、ちょっと特別な日常が収録されています。いわばとっても丁寧に残された日常、是非一度ご覧ください。